- 2023.09.27
チームビルディングを目的とした効果的なアウトドア研修とは?
アウトドア研修
チームビルディングは、コミュニケーション力の向上や個々の能力を最大限に発揮するために欠かせないものです。
自社でチームビルディングを検討する場合、アウトドア研修の実施も一つの方法になります。
本記事では、アウトドア研修でチームビルディングを実施する際の目的などを、効果的な研修事例を交えて紹介していきます。
チームビルディングとは?
チームビルディングとは、一人ひとりの能力やスキル、経験などを最大限に発揮して目標達成できるチーム作りに向けた取り組みを指します。
チームを作り上げていくワークやプログラムに加え、今のチームをより良いものにするための研修もチームビルディングの一つです。
チームビルディングの目的
それでは、チームビルディングをおこなう目的にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、主な目的を紹介していきます。
コミュニケーションの活性化
チームビルディングの最も重要な目的として、コミュニケーションの活性化が挙げられるでしょう。
コミュニケーションが円滑でなければチームは上手く機能しないため、個々が意見を発信し合える環境を作る必要があります。
チームビルディングでは、さまざまなワークを通してそのような環境作りの基礎を固めることが可能です。
また、それぞれの価値観や考え方を理解しておくことで最適な役割分担や人員配置ができ、効率的に業務を進められます。
目標達成への意欲向上
チームビルディングには、目標達成への個々の意欲を向上させる目的もあります。
そのためには、「このチームで目標を達成したい」というマインドを持ってもらうことが重要です。
アクティビティなどでチームの関係性を構築し、一体感を強固にすればモチベーションアップにつながるでしょう。
チームビジョンを意識させる
チームとしてのビジョンを明確にし、一人ひとりに意識してもらうこともチームビルディングの目的の一つです。
メンバー間でチームのビジョンが共有されていれば、それぞれが自分ごととして受け止め、どのようにチームに貢献できるか考え、役割を果たそうとします。
例えば、新プロジェクトのキックオフなどに「チームビルディング」を導入すると、目標達成に向けてチームビジョンが共有でき、個々のおこなうべきことが明確になります。
チームビルディングの5段階プロセス
チームビルディングには、基本となる理論があります。
それが、アメリカの心理学者、ブルース. W. タックマンが提唱した「チームビルディングの5段階プロセス」です。
この5段階プロセスは下記のとおりです。
1.形成期(Forming)
2.混乱期(Storming)
3.統一期(Norming)
4.機能期(Performing)
5.散会期(Adjourning)
それぞれについて解説します。
1.形成期(Forming)
形成期は、チームが作られたばかりで、まだお互いを知らない段階です。
チームとしての目標や課題、それぞれの役割などもあいまいなため、緊張をほぐしながらお互いの性格・価値観を理解していくことが重要になります。
楽しいゲームなどをおこなって、メンバー間のコミュニケーションを促進させると良いでしょう。
2.混乱期(Storming)
混乱期は、チームメンバーの間で主張がぶつかり合い、対立や混乱が生まれやすい段階です。
メンバーの意識が、チームの目標ではなくお互いの行動や発言に向けられることが多くなるため、まずは相互理解が必要になります。
そのためには、ゲームやアクティビティを通して、意見の対立をおそれず、考え方や価値観を出し合って理解を深めていくことがおすすめです。
メンバー同士の理解が深まればチームが1つになり、次の段階にスムーズに移行できます。
3.統一期(Norming)
統一期は、混乱期を乗り越えて、チームの目的や個々の役割が理解・共有できるようになった段階です。
チーム内の関係性も安定するので、この時期にリーダーはメンバーと積極的に関わりながら、リーダーシップを発揮することが重要だといえます。
メンバーに合った適切な役割分担やチーム目標の設定などを進めていきましょう。
4.機能期(Performing)
機能期は、統一期を経てチームに結束力が生まれ、最もパフォーマンスを発揮できるようになる段階です。
主体的な行動や相互サポートによる成果が出始めるため、全員のモチベーションが向上します。
この時期を持続させるには、チームワークをさらに高めるアクティビティの実施が効果的です。
5.散会期(Adjourning)
散会期は、当初の目的が達成された、もしくは時間的な制約で解散が検討される段階です。
別の目標に向けて、新たに動き出す時期でもあります。
チームビルディングをアウトドアでおこなうメリット
チームビルディングの研修には、メンバー同士で語り合う「対話型」やゲームを取り入れる「ゲーム型」などさまざまな種類がありますが、中でもおすすめなのが「アウトドア型」です。
アウトドアでチームビルディングをおこなうメリットとして、日常とかけ離れた環境でリラックスできる点や、自然とふれあいながら心身ともにリフレッシュできる点などが挙げられます。
また、アウトドアの楽しさを味わえるところも魅力の一つです。
おすすめのアウトドア研修10選
次に、おすすめしたいアウトドア研修10選を紹介します。ぜひ、取り入れやすいものを探してみてください。
1.BBQ・キャンプ
アウトドアといえば、BBQやキャンプが最も有名かもしれません。チームビルディングにももちろん有効です。
まずは、チームのコミュニケーションを強化したい場合に取り入れることをおすすめします。
2.無人島研修
無人島生活はテレビ番組で有名ですが、「無人島研修」をチームビルディングに取り込むケースもあります。
無人島ではチームで協力する必要があるため、チームビルディングの効果も高いといえるでしょう。
共通の「生きる」という目的のために仲間と力を合わせ、その過程でコミュニケーションやチームビルディングの大切さを学ぶことができます。
3.宝探し研修
「宝探し研修」は、チーム対抗で宝の地図や謎を解読し、隠された宝物を探し出すゲーム性の高い研修です。
メンバー同士で協力してアクティビティをクリアしていくと、ヒントや宝物が手に入ります。
問題解決のプロセスが経験できるのはもちろん、コミュニケーションの向上にも効果が高いでしょう。
4.フォレストアドベンチャー
「フォレストアドベンチャー」は、フランス発祥の自然共生型アウトドアパークのことです。
森の中でさまざまな課題を解決しながら、チーム力を高めることができるのが大きな特徴です。
フランスでは、チームビルディングやリスクマネジメント能力開発の研修ツールとして高く評価されています。
5.アウトワード・バウンド
「アウトワード・バウンド」は、1941年にイギリスで開設され、世界33カ国に約220の拠点を持つ冒険教育機関です。
日本では、「公益財団法人 日本アウトワード・バウンド協会」が、子どもから大人までを対象に大自然の中でプログラムを実施しています。
企業の目的に応じて、「新入社員研修」「チームビルディング研修」など、さまざまなプログラムをカスタマイズして提供しています。
6.自衛隊体験入隊研修
企業のチームビルディング研修として、「自衛隊体験入隊研修」もおすすめです。
自衛隊としては、「隊員と同じような日課で起居宿泊する生活を通じて自衛隊の実際の姿を広く知り、理解を深めていただくための体験」として提供しています。
規律や協調性をリーズナブルに学べるため、毎年数百社が研修として利用しているようです。
7.ブラインドスクエア
「ブラインドスクエア」は、自分たちでも簡単に実施可能なアウトドアチームビルディングの一つです。
これは、参加者全員が目隠し状態になって、一本の長いロープを使うアクティビティになります。
まずリーダーを1人決め、チームメンバー全員でロープを持ち、そのロープで正方形を作ります。
その正方形の1/4を他チームの正方形と重ねることがゴールです。
8.エビバディ・アップ
「エビバディ・アップ」は、手をつないだ状態から立ち上がることを目指すゲームです。
まず2人1組になって向かい合わせに座り、手をつなぎます。
そのままつま先をお互いにつけて、一緒に立ち上がります。
これを2人から始めて4人、8人と増やしていき、最終的にチーム全員で同時に立ち上がることがゴールです。
9.しっぽ取りゲーム
「しっぽ取りゲーム」は、全員が鬼の役をする鬼ごっこに似たアクティビティです。
参加者は自分のズボンに紐をつけてぶら下げ、「しっぽ」とします。
自分のしっぽを取られないように逃げながら他の人のしっぽを取り、最後まで残った人が優勝です。
チームビルディングで実施する場合は、2チームに分かれておこなうと良いでしょう。
10.サバイバルゲーム研修
「サバイバルゲーム」、いわゆる「サバゲー」をチームビルディングに取り込む方法もおすすめです。
サバイバルゲームは、エアソフトガンとBB弾を用いて、戦闘のようにチームに分かれて撃ち合うゲームです。
BB弾が自分に1発でも当たればその時点で失格となり、「ヒット」と自己申告し、フィールド(サバイバルゲーム施設)から退場します。
公園などの公共の場所でおこなうことは非常に危険なため、専用のフィールドを利用するのが一般的です。
チームを上手く機能させるポイント
チームビルディングを成功させるためには、チームを上手に機能させるポイントを把握しておくことが重要です。
チームを上手く機能させるポイントとして、下記の4つがあります。
1.チームビジョンを明確にする
2.マインドセットを形成する
3.メンバー個々の役割を明確にする
4.コミュニケーションを十分に取る
それぞれについて説明します。
1.チームビジョンを明確にする
チームのビジョンやミッションが明確になっていなければ自分たちのするべきことが分からず、業務をスムーズに進めることができません。
チームを上手く機能させるには、チームのビジョンを改めて明確化する必要があります。
例えば、「5W1H」といったフレームワークを活用するなど、しっかりとチームで共有することが大切です。
2.マインドセットを形成する
目標やビジョンが明確になっている場合でも、「このチームで絶対に達成したい」といった個々のマインドセットがなければ、チームはスムーズに機能しないでしょう。
そのため、メンバーのモチベーションがどう変化しているのかをリーダーは日頃から把握しておかなければいけません。
チームビルディングにマインドセットの形成は欠かせないものだといえます。
3.メンバー個々の役割を明確にする
チームの目標達成のためには、メンバーそれぞれが何をするべきか、役割を明確にする必要があります。
適切な人員配置やタスクの振り分けをおこない、メンバーが最大限のパフォーマンスを発揮できるように配慮しましょう。
その際は、メンバー個々の性格や経歴の把握、配置後の効果検証を実施するなど、不公平感がないようさまざまな観点からおこなうことが重要です。
4.コミュニケーションを十分に取る
多様性が重視される昨今、一人ひとりが個性を発揮して最大限のパフォーマンスを上げるためにはコミュケーションが不可欠といえます。
また、コミュニケーションを十分に取ることで、チームやメンバー個々のモチベーションにつながるだけでなく、円滑な情報共有によってトラブルが防げる可能性があります。
まとめ
チームビルディングには、コミュニケーションの活性化や目標達成への意欲向上、チームビジョンを意識させるといった目的があります。
また、効果を上げるためにはこれらを明確化しておくことが大切です。
チームビルディング研修の一つとしてアウトドア型がありますが、この中には今回紹介したようにさまざまな種類があります。
ぜひ、チームビルディングの目的やそれぞれのメリットを把握した上で検討されてみてはいかがでしょうか。